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Japanese/English Technical Translation Handbook: Essential Expressions Gijutsuhonyaku Ougi to urawaza (Japanese Edition)

本書は、技術英文に頻出する、重要な表現の「和英辞典」です。その起源は古く、1988年、オーム社から出版された「科学技術和英大辞典」(以下、「和英大辞典」という)に遡ります。この「和英大辞典」は、普通の和英辞典と用語辞典や用語事典との間の隙間を埋めるべくして発行された、当時としては日本で初めての「科学技術和英大辞典」ですが、その中の第2編として収録されていた「表現編」がすべての元になります。その後、1995年に「和英大辞典」の第2版が出版されたとき、「表現編」は「和英大辞典」から切り離され、「科学技術英語表現辞典」(以下、「表現辞典」という)として出版されました。この度,シリーズ化して電子書籍を出版するに当たり,その「表現辞典」に収録されている70項目から特に技術翻訳にとって大事な項目を約50個選び,そのうちの半分を本書に取り上げ,シリーズの第5巻として出版します.残りの半分は続編として後日発行することになっています.

■英作文は英借文
「我々日本人にとっては,所詮『英作文は英借文』である」というのは,その「表現辞典」の「まえがき」の冒頭の一節です.要するに,「彼ら英米人の書く英語は,我々日本人の書く英語とは発想を異にするところが多く,我々がいくら学校英語や文法英語を使って正しく書いても、この彼我の発想の違いは解消できない。この溝を埋めるには、日頃,彼らの書いた英語を片っ端から「収集」し、使いやすいように「分類」しておき,いざという時にそれを借用して書くのが一番手っ取り早くて良い」という考えに基づいた発想です. この発想に端を発し,著者は40年近く前,彼らの書いた英文の収集に特化した「トミイ式英語資料収集・分類・収納方式(トミイ方式)」によるデータベース構築法を開発しました。この方法で収集した英例文が、すべて本書の基礎になっています。(トミイ方式については、次巻で詳しく述べます。)

■豊富な技術英語の例文
普通の和英辞典は「言葉(見出し語)」を基本として編集されているのに対し、本書では「意味」を基本として編集されています。配置された豊富な生きた技術英語の例文には和訳がつけてあります。検索機能も活用して必要な表現に辿り着いてください。そして随所に示した、例文に関連する「翻訳のヒント」もぜひ参考にしていただきたいと思います。

■目次
ご利用に際して
電子書籍発行に寄せて
まえがき
Ⅰ 空間・時間の表現
1. 位置(場所)
★翻訳のヒント[1]:ハイフンを使って「~しにくい___」「~しやすい___」
★翻訳のヒント[2]:文頭の「図」は Figure か Fig. か
★翻訳のヒント[3]:上下,左右,前後の表現
★翻訳のヒント[4]:中心とか中央などの表現
★翻訳のヒント[5]:限定のない「高温」「低温」は無冠詞の複数形
★翻訳のヒント[6]:副詞bestは日本語では形容詞に
★翻訳のヒント[7]:場所を表す前置詞
2. 間隔
★翻訳のヒント[8]:自動詞としてのapplyを正しく理解しよう.
★翻訳のヒント[9]:not only …… but alsoのまとめ
★翻訳のヒント[10]:rather than は否定詞
3. 接触
★翻訳のヒント[11]:ブレーカはcircuit breaker
4. 範囲
★翻訳のヒント[12]:「モノ」や「コト」の「― から ― までの範囲」
★翻訳のヒント[13]:数量の「― から ― までの範囲」
★翻訳のヒント[14]:数量の範囲を表すときの単位の書き方
★翻訳のヒント[15]:1および1未満の単位の英国式と米国式の違い
★翻訳のヒント[16]:温度の範囲の表し方
★翻訳のヒント[17]:典型的な無生物主語構文であるshow that パターン
★翻訳のヒント[18]:wide range of …は「広範囲の…」か「いろいろな…」か
5. 方向
★翻訳のヒント[19]:「異種の前置詞」,前置詞への細かい配慮
★翻訳のヒント[20]:英語の副詞を日本語では形容詞に!
Ⅱ 状態変化の表現
1. 減少
★翻訳のヒント[21]:高温や低温は一般的には無冠詞の複数形
★翻訳のヒント[22]:カメレオンのようなセミコロン
★翻訳のヒント[23]:複主語構文「―は…が減少する」
★翻訳のヒント[24]:「…につれて」はwith …で
★翻訳のヒント[25]:「―が,,,,するにつれて」はas ― ,,,,で
★翻訳のヒント[26]:英語と日本語の態の非対応性
2. 増加
★翻訳のヒント[27]:セミコロン(;)には[すなわち]という意味も
★翻訳のヒント[28]:因果構文における「結果」の表現
3. 変化・変動・バラツキ
★翻訳のヒント[29]:「変化する」が「決まる」になるとことも
★翻訳のヒント[30]:changeとalterの違い
★翻訳のヒント[31]:態の非対応性,「変える」とis changed
★翻訳のヒント[32]:「物理量の変化」の「の」はofではなくin
●Teatime 表現のバリエーション
★翻訳のヒント[33]:FigureとFig.の使い分け
Ⅲ 因果関係の表現
1. 結果
★翻訳のヒント[34]:「その結果生じる~」にはどのような言葉が
★翻訳のヒント[35]:結果を表すwith,これはかなり凝った用法
2. 原因
★翻訳のヒント[36]:主語が%で表されているとき,動詞は複数形
★翻訳のヒント[37]:― が「無生物主語」の場合にはcauseは別の訳し方
3. 目的
★翻訳のヒント[38]:「…するため」ではなく「-が…するため」
★翻訳のヒント[39]:so thatの用法5態
4. 目標
5. 理由
Ⅳ その他の頻出表現
1. 異・違・差
★翻訳のヒント[40]:
2. 傾向・動向・すう勢・しやすさ
3. 種類
★翻訳のヒント[41]:序数詞の前にも不定冠詞が
★翻訳のヒント[42]:anyが前に付くとother typesがother typeに
4. 程度
5. 同等
★翻訳のヒント[43]:sameの前には必ずtheを付ける.
6. 比例
7. 分類
★翻訳のヒント[44]:「分類する」のいろいろ
8. 類似
★翻訳のヒント[45]:[類似]および「類似点」あれこれ
★翻訳のヒント[46]:修飾語句の順序 (1)
★翻訳のヒント[47]:英語と日本語における代名詞の違い
★翻訳のヒント[48]:修飾語句の順序 (2)
次巻の予告
編集後記
奥 付

■著者略歴
富井 篤: 1934年横須賀生まれ。日本大学理工学部卒業。アメリカ系産業機械メーカーを退職後、(株)国際テクリンガ研究所を設立、爾来、翻訳歴40年、翻訳指導歴37年、執筆歴35年。著作、訳本・CDを含め40冊

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