「私を殺してよ」
「なんで産んだの?」
「生まれて来なければよかった」
「死にたい」
ひどい言葉を吐き、ひたすら消えることばかり毎日考えていたのに、この世に産んでくれてありがとうと、素直に心から感謝をすることができたのです。
そして、母からは一瞬の沈黙のあと、予想もしない言葉が返ってきました。
「また今年も誕生日を迎えちゃった。生きてる」
毎年うんざりする気持ちで誕生日を迎えて、大人になっていく自分の運命を呪っていました。
もちろん自分のことなんか好きになれるはずもなく、こんな自分自身が大嫌いでした。
コンプレックスの塊のような私は、生まれてきたことを、悔やんでは呪ってばかりいました。
けれど、心のどこかでは、自分を好きになりたいし、愛したいと願っていたのだと思います。
自分自身を認めてあげて、「いいんだよ」と、抱きしめてあげたかったです。
苦しみに満ちた十代の日々でしたが、大学で出会った哲学者の言葉や、作家たちの作り出す世界のおかげで、日々をなんとか乗り越えることができました。
二十代では、どうしたら自分を愛することができるのか、認め方を探し始め、三十代になって、ようやく初めて自分を好きになることができたのです。
暗黒時代を長いこと過ごしてきた私の少女時代から今に至るまでを、包み隠さず綴ってみました。
今苦しんでいる人、悩んでいる人の、力になれたら嬉しいです。