ある日、修道士のレイモンドは、自分が住む修道院にある暗いワイン貯蔵庫で埃まみれの古ぼけた写本を発見した。その本の存在は、500年にも渡って秘密にされてきた。果たして、彼の命を追う人物は誰なのか、また、その理由は?
イタリアでルネッサンス文化が開花していた時期、教皇レオ10世は迂闊にもこんな言葉を発した。「キリストにまつわる迷信が、私達と過去の教皇達にとってどれだけの利益をもたらしてくれたのか、お前にはわかっているのか!」。果たして、その発言は何を意味していたのだろうか?
ファティマで聖母出現を目撃したルチア・ドス・サントス修道女は、死の床からバチカンに書簡を宛てた。彼女の命が燃え尽きようとしていたその時、どうしても世間に伝えたかった真実とは何だったのか?
バチカン宮殿が企てる陰謀、毒殺、拷問、手に汗握る逃亡劇…。この物語を読めば、世界で最も大きな権力を持つ「宗教的」組織であるカトリック教会が成し得ることがわかるだろう。
警告:カトリック信者およびキリストの信者である読者の方々には、あくまでもこの物語が架空のものであることを予め念頭に置いた上で読んでいただきたい。