恋人たちが互いを信じ、永遠に愛し合うことは、長く厳しい道のりを歩むようなものである。時には、本人たちが抗えない運命に巻き込まれることもある。
　これは地球と良く似た、とある惑星を舞台にした物語である。その惑星の知的生命体は進化の過程で、男性、女性、媒性という３つの性を持つようになった。
　エピタ、モーリス、ターシャの三人はこの星で平穏に暮らす一組の恋人だった。あるときターシャが、全身の筋肉と骨がぼろぼろに崩れる奇病に冒され、命を失う。残されたエピタとモーリスは、頭痛薬に含まれる物質がこの奇病の原因だといううわさを聞き、真相究明に動き出す。二人は、生まれ故郷の海を守るために戦う媒性・アルメ、薬品会社の研究員で奇病の原因物質を研究するヤヴァンと共に、やがて国家レベルの事件に巻き込まれていく。