【ものがたり】
「ひとつだけお願いがあるの。
わたしたちの前では、決して本名を名乗らないで――」
東京のどこかにある賑やかな商店街。
その横丁にひっそりと佇む小さな家。
一見ただの住宅にしか見えないそこは、〈必要とする人〉だけが訪れることのできる不思議な料理屋だった。
店の名は『ことだまや』。
店長・葉子の人柄と美味しいごはんが、常連客たちの心を掴んで離さない。
だが、この『ことだまや』には、実は大きな秘密があった――。
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【主な登場人物】
[???/葉子]
いつもおっとりと優しい『ことだまや』の店長。
素材の味を生かした料理と包みこむような笑顔で、店に集う人たちの心を温めほぐす。
[和泉怜司/林]
ある出来事がきっかけで、食べ物を口にすることができなくなった作家。
真冬の夜更け、彼が見えない力に引き寄せられるようにして『ことだまや』にやってくるところから、物語ははじまる。
[立花美由紀/ミケ]
容姿も気質も猫のような女の子。葉子を手伝って『ことだまや』で働いている。
[北原詩乃/しおり]
夏休みのあいだ『ことだまや』で暮すことになった高校三年生。
住み込みのアルバイトというのは建前で、本当の目的は葉子のもとで秘密の修行をすることにある。
第二章、彼女の登場とともに『ことだまや』をめぐる謎が明らかになり、物語が大きく動き出す。
(本名/『ことだまや』での〈呼び名〉の順で記載)
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【文庫本換算ページ数】
上巻: 98ページ
中巻: 134ページ
下巻: 128ページ
(39字×18行で計算)
※こちらは下巻です。
【作品紹介ブログ】
http://kotodamaya.blog.jp/
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