白夜のロシアを旅する詩人が、真夜中のジャズクラブで美しいバレリーナに会う。
彼女に導かれて入った宮殿には、いまも消えないナチスの略奪の痕跡が。
光も記憶も封じこめる宝石が人生の謎を解く。

＜七つの宝石のエピソードについて＞
物語の主人公は、世界のさまざまな人種や世代の人たち。
ひとつの宝石を各篇のモチーフにして、読者を幻想の旅へいざない、
地球のどこかで息づく日常から、ひそやかに輝く「生」を描く。
アフガンの戦場、ダイヤの盗掘場、ポール・マッカートニーのコンサート…
すべての舞台に著者が滞在し、紛争地を見つめた体験が裏打ちするファンタジー。
全9篇。2017年1月1日〜2月26日までの毎週日曜日に刊行。