新撰組の斉藤一はヒョンな事から御陵衛士高台寺党に加わるが、副長土方歳三に内通を指示されていた。党首伊東が動く事により攘夷派動向を探るものであったが、その一環として知らされた薩摩からの情報は佐幕派の歓喜する所となった。伊東と藤堂は薩摩屋敷から得た紹介状を持って酢屋から近江屋に周るが、斉藤からの知らせで既に監察の山崎が尾行しており大政奉還の立役者坂本龍馬の下宿が知られる事となる。
暗殺当日、土方は河原町瓢亭で見廻組与頭佐々木にこの情報を渡すが、既に海援隊京都本部の酢屋までの情報は何故か知っており、配下の桂はこれを頼りに酢屋を訪ねるがこの探索には失敗していた。高台寺離党後、会津藩士として名前を山口二郎に直した斉藤は、先程紀州屋敷で仕入れてきた坂本の隠れ家と人相を伝えるが、その腕前を買われ襲撃参加を認められ改めて夜になってからの決行を指示されていた。
巷の噂とは違い龍馬暗殺は見廻組の犯行であったが、しかし明治という新たな時代を迎えた時、その襲撃仲間の一人今井信朗は我々の仕業であったと白状していた、実はそこにある人物が深く関わり事実とは微妙に異なる供述をさせられていたのだ。会津落城後、謹慎生活から斗南藩に移住していた山口二郎は更に名を藤田五郎に変え上京するが、この自白を知り、自分の名前も知られたのでと心配し巡査の身分を利用し今井供述を苦労して見る事ができた。しかしその調書を見れば見るほど疑問を感じ、これを糾すべく西南戦争直前に今井本人を捕まえるが、強固に口を開こうとはしなかった。そこで自分の推理解き、とうとう調書の裏に隠されたカラクリの陰謀を暴き、黒幕の野望の為暗殺された事を知る事になる。