青森県は冬には極寒を体験する。そこに住む5人の中学生は友達の家に集まってネットで全国各地の子供たちと繋げて戦争テレビゲーム「レイズフラッグ」に熱中していた。
米軍座間基地の近くに住む高校一年の修司は父親と世界各地で暗躍しているテロリストの事件を話題にすることが多かった。イスラム国がアメリカやヨーロッパの社交サイトを使って若者を勧誘していることを知っていた。いつかは日本にもその手が伸びてくることを心配していた。
修司は大学へ進学することよりも自衛隊へ入隊することを希望した。しかし入隊試験で体格不良で落とされた。軍隊にあこがれて戦争の武器や戦略は熟知していた。「レイズフラッグ」を全国各地の生徒たちとネットで遊び、負けることは一度もなかった。このゲームは実際の戦争で使われている武器を熟知し、兵隊の配置と合わせた戦略にたけていることが必須だった。
修司は青森の5人の中学生たちと知り合い、家出をして愛媛県の山奥で独自の軍隊を構築した。蘇命隊と呼び、自衛隊の階級制度を取り入れて功績があった者を昇級させた。
近所に住む中学生を巻き込んでその家から発信されるワイファイを利用して全国の子供たちを蘇命隊に誘った。各地に蘇命隊の支部ができ、秋田支部の彰はミキシーで偽名を使ってイスラム国の使者ファトマと知り合った。美人で39歳のファトマは彰とその友達を誘って一生が保障される自国へ行こうと計画した。修司からの指示を受けて彰はおとりを装いファトマを落として入れる作戦に出た。
蘇命隊のサバイバルは各地の支部で隊員に窃盗をさせて資金を稼ぐことにかかっていた。全国各地で同じ手口の空き巣の事件が多発した。ある支部で防犯カメラに写った隊員が逮捕されて蘇命隊の存在が発覚した。
ファトマが蘇命隊の隊員を勧誘して自国へ連れて行くことを修司が警察に通報してファトマのコンピューターが警察の鑑識課によって解析された。その結果ファトマがテロリストの使者だと判明して、警察はファトマを逮捕した。
修司と蘇命隊の全員がそれまでに行ったサバイバルのための窃盗はテロリストが日本へ侵入するのを防ぐためだっと警察と裁判所が判断し、蘇命隊は無罪となった。
蘇命隊の活躍はヒーローとしてメディアに取り上げられ、家出をして蘇命隊に入隊した子供たちは家へ戻り「レイズフラッグ」に没頭する生活に戻った。