前著書「単勝オッズ範囲に注目した馬券回収率の分析とその有効性」において、単勝オッズと該当競走馬の単勝および複勝の勝率には規則性があるという考えに基づいた馬券回収率の分析を行った結果、過去8年間の中央競馬のレース結果より、特定の単勝オッズ範囲に該当する競争馬のみに注目することで、115.1%の回収率が得られることが明らかとなった。 しかし、2016年以降のレース結果においても同様の傾向が存在するかについては不明であった。
そこで本書では、2016年に開催された中央競馬のレース結果に対し、前著書と同様に単勝と複勝の馬券回収率のシミュレーションを行い、それらの分析結果が2008年から2015年までの過去8年間の分析結果と同様の傾向がみられるかどうかを評価した。その結果、複勝馬券の馬券回収率は97.1%と100%を超えることは出来なかったが、複勝馬券の払戻率である80%を大きく上回る回収率が得られることが明らかとなった。