久世三紀彦、４０歳。口癖は「どうせ僕なんか」。
表の顔はカフェのマスター、裏の顔は当て馬師。

　当て馬師という変わった職業の久世は、両想いの恋愛をしたことがない。ある日、喫茶店の常連である若者・悠里に突然告白をされ、激しい恋に落ちる。幸せ過ぎて信じられない日々を過ごすが、悠里の告白は狂言だったことがわかる。悠里は親友の復讐のために久世に近づいたのだった。
　悠里を拒絶する久世。だが、悠里は久世と一緒に過ごすうちに久世を愛し始めていた。悠里に追いかけられ、絆される久世。しかし、幸福になるには久世は傷つき過ぎていた……。

　もう恋などあきらめた年齢になってから、初めての恋をする当て馬の話。