はじめに：
　本書は、中国語単語・日本語単語を効率的に学ぶための学習教材です。単語は無秩序に覚えても効率が非常に悪いです。効率よく学ぶには脳の機制に従うことが大切です。その基本となるのは、単語を単独で覚えるのではなく、「文脈」における全体の一部として覚える、ということです。
　そのうえで＜対義語＞として学ぶことです。対義語をワンセットにすれば、一度で二語覚えられます。
　それから、たくさんの単語を有機的に結び付けるために、＜物語＞があります。一つの物語の枠組みの中で、数多くの単語が相互に関連しあうため、記憶しやすくなります。
　最後に、＜連想＞です。「りんごは赤い」→「赤いのは血だ」→「血といえば献血だ」という連想の場合、最初の「りんご」と最後の「献血」は無関係ですが、直接接する前後の単語は密接な関係にあります。＜連想＞ではこうして無限に単語数を増やして行くことができます。
　本書では以上のように、「文脈」を基盤に、＜対義語＞、＜物語＞、＜連想＞のツールを用いて効率的な単語学習を提供します。中国語を学ばれる方だけでなく、日本語を学ばれる外国人の方々にもお役に立てるものと信じています。姉妹品のキンドル本「短編小説を読んで中国語を学ぼう」、「短編小説を読んで中国語を学ぼう２」、「詩を読んで短編小説を読んで中国語を学ぼう」、「日本人とネイティブの中国語文章を比較して自然な中国語を学ぼう」もぜひ学習にお使いください。
　なお、本書では、中国語単語にはピンインを振っていません。ご了承ください。

目　次

はじめに
１．日常語彙
（１）時間
（２）体
（３）食料
（４）生物
（５）スポーツ
（６）料理
（７）式、会
（８）生活用品
（９）楽器
（10）自然
（11）服装
（12）乗り物
（13）建物
（14）職業
（15）デザート
（16）大陸、国家、首都
（17）日本語
（18）形容詞
（19）副詞
（20）敬語
（21）動詞
（22）接辞
（23）あいさつ
（24）こそあど
２．複合動詞
（１）――掛ける
（２）――込む
３．接尾辞
（１）――らしい
（２）――そう
４．対義語
５．物語
（１）恋愛もの
６．連想
（１）手→SF
（２）花→無免許運転
（３）誘拐→ジョギング
（４）写真→体重計
（５）バス→倒産
（６）桜→淡
（７）誕生日→高級感
（８）机→宇宙船
（９）鮭→爆発物
（10）飛行機→ファッション
（11）カーテン→物理学
（12）マイケル・ジャクソン→歴史書
（13）髪→海
（14）石→急性アルコール中毒
（15）天国→侵入
（16）卒業→豪邸
（17）タバコ→インク
（18）スイカ→展示会
（19）りんご→ペンギン
中国語教材の紹介


本書抜粋：
　構成として、最初に日本語の単語表があり、次に単語を含んだ文例があり、その下に中国語の単語表（訳）があります。下記の例を見てください。

1.覚える⇔忘れる2.親分⇔子分3.終わる⇔始まる
4.穏健⇔強硬　5.音読⇔黙読・訓読
※キンドル本では、上記は表になっています。

＜文例＞
1.【覚えて】もすぐ【忘れる】んです。2.【親分】は【子分】の面倒を見ます。3.夏休みが【終わって】、新学期が【始まります】。4.【穏健】派と【強硬】派が争っています。5.【音読】しないで、【黙読】してください。

1.记住⇔忘记2.头目⇔手下3.结束⇔开始
4.稳健⇔强硬5.朗读，音读⇔默读，训读
※キンドル本では、上記は表になっています。


作者：
　平山崇。蘇州大学大学院修士課程修了。日本語教育能力検定試験合格。認定心理士。新ＨＳＫ６級。中国で日本語教育に１０年携わる。出版した教材は２０冊、キンドルは５０冊。