タイの王朝とカンボジア・クメール王朝の文化遺産を訪ねる旅、写真を交えた
記録です。
タイ民族初の統一国家は13世紀にスコータイに都を置いたスコータイ王朝
だ。スリランカから伝わった上座部仏教を国教として制定、内政面や文化面で
今日のタイ国家を形成する基盤を創った。続くアユタヤ王朝はは中国、イン
ド、西欧の国々、日本などと交易をおこない国際的にも栄えた。続く現チャク
リー王朝は都をバンコクに置き、今や国際大都市の一つとして発展している。
スコータイ、アユタヤ、バンコクはタイ三大王朝の都で、タイの歴史文化を最
もよく伝えている。この旅ではバンコクからアユタヤ、スコータイと歴史をさ
かのぼる形で訪れ仏教美術推移を中心に見学した。
9世紀初頭にインドシナ半島に統一国家を創ったクメール王朝では、王は即
位すると新たな寺院を作るものとされ、アンコ-ル周囲には千以上にもおよぶ
遺跡が残っている。旅の後半はバンテアイ・スレイ、アンコール・ワット、ア
ンコール・トムなど10世紀から13世紀に及ぶ遺跡の数々を訪れた。同時代
の西欧美術とは全く違った多彩ですばらしい東洋美術に接することができた。
旅はバンコクは水の都とも言われチャオプラヤー川周遊で始まり、カンボジ
アのトンレサップ湖の水上生活見学で終わったが、メコンデルタ地域の一面を
象徴する風物も楽しむことができた。