埼玉県に住む二十一歳の大学生である僕は、アルバイト先の喫茶店で知り合ったひとつ年下の専門学校生、百瀬ユリに恋をする。一度思い切って彼女を誘い、デートをするも、不意に彼女から妻子持ちである学校の先生への片想いを告白される。彼女に好きな人がいることを知った僕はひどく落胆し、告白もできないままその日のデートを終える。
自分の進展しない片想いに悶々とした僕は、そんな気持ちを紛らわせようと、夏休みに長野県へ二泊三日のひとり旅に出る。僕はそこで、明るくて活発な女子大生、辻森(つじもり)茜(あかね)に出会う。ひょんなことから一緒に旅をすることになった僕らは、大学のこと、進路のこと、そしてお互いの恋愛について、いろんな話をする。物怖じせず、思ったことをはっきりと言う彼女に刺激され、僕はあきらめかけていた百瀬さんへの告白を決意する。
旅行から帰った僕は、再度百瀬さんをデートに誘う。彼女はそれに応じ、僕らは一緒に花火大会に行くことになる。当日、僕は思い切って彼女に告白し、付き合って欲しいと言う。すると、意外にも彼女の返事はOK。それは、僕の想いが通じた瞬間でもあった。
晴れて百瀬さんと付き合えることになった僕は、次の日に電話で茜にその報告をする。彼女もそのことを喜んでくれ、話の流れで、今度僕と百瀬さんと茜の三人で食事をしようということになる。
次の日、百瀬さんにそのことを伝えようとしていた矢先、逆に彼女の方から電話がかかってくる。それに出た僕は、彼女から突然別れたいと告げられる。片想いをしていた先生に告白されたのだと言う。そして彼女も、彼と付き合うことを強く望んでいた。それはまさしく不倫を意味していたが、無理に引き止めて彼女との仲をこじれさせたくなかった僕は、彼女の望みをそのまま受け入れる。
三人での食事会は当然中止となり、電話でそのことを知った茜が、傷心の僕を彼女の地元にあるダイニングバーに誘う。後日その席で、彼女は突然スキーに行きたいと言い出す。僕はそれにとまどったが、一度スキー経験があったのと、彼女の勢いに押されたことから、彼女の発案に同意する。
スキー旅行当日、僕と茜は新潟県のとあるスキー場に出かける。実際に滑り始めると、茜は筋が良く、どんどん上達していく。しかし次の日、大雪の中ゲレンデに出た僕らは、おかしなコースに迷い込み、視界ゼロの吹雪の中に取り残されてしまう。やっとの思いでコースを進むと、道中に無人の小さな山小屋を見つけ、そこに避難する。携帯がつながらず、助けを呼べない僕らは、一晩をその山小屋の中で過ごすことになるのだが・・・。
尚も続く僕の片想い。百瀬さんと先生の不倫の恋の結末は?そして、日々募る茜の想い。恋愛を通じ、生と死を見つめた長編青春小説。