相続と聞くと、2015年に相続税改正があったことから、相続税の増税を思い浮かべるかもしれません。しかし、相続税を支払う人の割合は、2014年までが4%程度、相続税改正後の2015年以降でも6%程度と見込まれ、相続税を納める人はごく一部の人に限られています。
では、なぜ私が「40代団塊ジュニア世代がやるべき持ち家相続の準備本」を書いたのでしょう。
それは、相続に関して本当に恐ろしく最も警戒しなければならないのは、相続税の支払いよりも、相続財産を兄弟・親戚で分割する時のトラブルだからです。
相続財産はそれを放棄しない限り、嫌でももらわなければいけません。もらうというのは、プラスの財産だけではなく、借金といったマイナスの財産も含まれます。
相続財産を分けるという行為は、相続税支払いのようにごく一部の人だけに関係があるのと違い、相続を受ける全ての人が関わることになるのです。
そして、相続トラブルで一番多く発生しているのは、不動産を相続する時のトラブルです。
それはなぜかというと、相続財産に占める割合で最も大きいのが、土地・家屋を合わせた不動産だからです。2013年統計では、47%という数字が発表されています。
また、不動産は、お金のように簡単に人数分に分割できないこともトラブル発生の大きな理由になっています。
<目次>
はじめに
目次
〈ケース1〉相続会議で今の家を立ち退くことに
〈ケース2〉この家は時間をかけるだけ無駄です。
〈ケース3〉家を買う前の住宅診断:ホームインスペクションとは
〈ケース4〉住まい選びの「3基準」
〈ケース5〉そんな状況で「買ってはいけない」
おわりに