2000年の歴史の中で息づくボージョレー地区を、ローマ時代から現代まで見渡してみましょう。
ガメイ種は誰が持ち込んだのか。なぜヌーボーが誕生したのか。なぜその勢いに凋落の陰りが出てきたのか。その経緯を追います。

ガメイという多産な葡萄から作られるワインを飲みながら、ぜひこの地の歴史と文化に酔ってください。ガメイから作られるワインは、華麗でもエレガントでもない。でも、とてもフランス的です。ゴツゴツした手の温もりを感じるワインです。そしてそんなワインを作る人々も村も、すべて遥か古代から連々と繋がるフランスそのものです。
石器を携えて歩いた新人も、ガリアの森を河伝いに進んだケルト人も、陰謀と野望に塗れ、栄華と凋落に翻弄された王たちも、そしてギロチンも。すべてがワイングラスの彼方に見える。幻視できる。僕はそう思います。