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OYAKODANNZETUBOUSIHOUNOHITEIRONNSYATATIHE: OYAKOHIKIHANASISOKUSINNSYATATIHENOHANNRONNSYUU (Japanese Edition)

はじめに

 現在,「父母の離婚等の後における子と父母との「継続的な関係の維持等の促進に関する法律案」(通称,「親子断絶防止法」。以下,「本案」とも表現する。)についての賛否が,様々なメディアで展開されている。法案を洗練していく上で様々な意見が出てくることは好ましいことだ。しかし,的外れな意見は議論を空転させるだけである。

 日本がハーグ条約に加盟する時にも似たような議論があり,筆者としてはデジャブのような感覚さえあるが,ハーグ条約の加盟から2年以上が過ぎた現在,加盟反対論者らが挙げていた問題点はどれも杞憂でしかなかった。むしろ,不当な子どもの連れ去りへの対応にハーグ条約は大いに役立っているといえるだろう。ハーグ条約の反対論者らは,可能性が低く例外的でしかない万一の危惧を理由に,子の連れ去りの防止という当たり前のことに反対していたのだから,子どもの利益を守らなければならないという当然のモラルが欠如していたと指摘せざるを得ない。つまり,モラハラである。

 これは本案を批判する者たちも同様である(ハーグ条約反対論者と本案反対論者は重複している印象もあるが)。本案は原則として親子の交流を大切にしようとしたものだが,理念法でしかなく,直接的な義務や罰則を定めているものではない。また,親子とはいえ様々な事情があるのだから,全ての親子に交流を強いるものでもない。
 そのような緩い法案であっても反対し,我が子に会えない親の気持ちを理解しようとしていないのだから,反対論者たちのモラハラは相当なものがある。このようなモラハラ加害者は自らの行為に無自覚な場合が多いので,当人たちは自らのモラハラに気づいていないのだろうが。

 繰り返すが,本案は理念法であり,親子交流を促してはいても個人に強制したり義務を課したりしているわけではない。しかし反対論者は,親子交流が制限されるべき場合についての規定が具体的ではないとか, 本案で養育費について具体的に規定していないとか,筋違いな反対論ばかりを繰り返している。それほど本案に具体性を持たせたいのなら, 親子交流も具体的な義務として規定しなければならないし,そもそも,本案の趣旨からすれば養育費は別問題である。つまり,反対論者の上記のような指摘は,詭弁でしかない。正論での話し合いができないところが,正にモラハラ加害者たる所以だろう。

 本書では,このようなモラハラでしかない反対論の狂騒に惑わされず,不毛なやりとりに終止符と打つため,論点の整理していく。

はじめに
第一章 赤石千衣子氏の見解(2016/9/29)についての検討
第二章 渡辺由美子氏の見解(2016/10/2)についての検討
第三章 千田有紀氏の見解(2016/10/18)についての検討
第四章 千田有紀氏の見解(2016/10/20)についての検討
第五章 千田有紀氏の見解(2016/10/28)についての検討
第六章 赤石千衣子氏の見解(2016/11/4)についての検討
第七章 千田有紀氏の見解(2016/11/6)についての検討
第八章 千田有紀氏の見解(2016/11/8)についての検討
第九章 法案への疑問点への反論
第十章 親子断絶促進者への対応(まとめ)

 なお,著者は本案に賛同しているが,直接的に本案の推進に関わっているわけではないことを記しておく。
また,電子書籍の特性を活かして,今後も必要に応じて加筆をしていく予定である。

(最終更新:2016.11.8)
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